近況とドライブ・マイ・カーの話
お久しぶりです。
一人暮らしを始めてちょうど半年経ち、きりがいいかなと思ったのでひとつ振り返ってみることにしました。それから最近「ドライブ・マイ・カー」を観たのでその話も書きます。
前回書いた通り、一人暮らしをしたいなぁと思ったのと、あとちょこちょことした理由から2月の頭に引越しを行い、今のおうちで暮らし始めました。
一人暮らしを始めるにあたり、いくつか目標を立てました。
環境の変化を通して自分を見直すいいきっかけになるかなと思ったからです。
また、一般的な賃貸の例に漏れず、このおうちも2年契約で借りているわけですが、ちょうどこの2年というのもうまく利用できそうだったので。
目標は、まず生活を維持できるようになることと、料理と散歩を続けること。
前回の一人暮らしは、後半生活を終わらせてしまいもうめちゃくちゃだったので、生活が終わる前に気づいて歯止めをかける練習をすることにしました。油断するとすべて捨ててセルフネグレクトをしてしまう性分を見越して、きちんと客観視し、部屋の掃除や洗濯、ゴミ捨て、清潔で過ごしやすい空間を保てるようにしています。
なんとこのために家事についての本を買いました。
真面目か?
でも本自体はとてもおもしろいのでおすすめです。
料理と散歩は実家での在宅作業中にもおこなっていたことですが、自分が食べているものは母が作っているものが多いけれど、それは本当に自分の食べたいものなのか、とか、意識していなかったけど自分は歩くのが好きなのではないか?(これは旅行で観光地に行くよりも道中歩くことの方が記憶に残っていたためそう考えた)とか、そういう身体の声を聞く?みたいな、なんかそういう…。
自分にとって好ましい状態を知るための手段として、この2つを採用しています。
半年経って振り返ってみると、うーん。5段階評価でいうと「ややできている」って感じです。
社会生活が得意ではないので仕事で忙しくなると心身共にやぶれかぶれになってしまい、今まではそこから目を覚ますのに今まで映画や美術鑑賞やライブや旅行を使っていたのですが、今はなかなか行けないので、油断すると仕事をして風呂に入って眠る機械になってしまいます。
ただ、料理はそこそこ作っているし、散歩も在宅になってからはよくしている、休日に家事を済ませることもできているので、まぁ生活はできているんじゃないでしょうか。
あと、定期的に通っている鍼治療にだいぶ助けられています。腰痛と、とある臓器の調子が悪くなりやすい可能性があることを指摘されたので(これは心当たりがあった)、そのためのフォローを治療とともにおこなっています。
優しい先生で、特に知り合いのいないこの場所で唯一といってもいいほど定期的に顔をあわせるので、通院が楽しみになっています。
人並みに寂しく、少し元気な暮らしです。うん。
それから、これは長期的な目標(自分が長期的な目標を立てるときが来るとは!と思いました)というか野望なのですが、2年後の賃貸契約更新のタイミングまでに、猫とともに暮らせるような状態にしたいと思っています。
自分の世話を自分でできるようにし、経済的にも生活的にも、猫に不自由をさせないような人間になりたいのです。
真面目か?
いや、本当に、惜しみなく愛を注げる状態になることはとてもよいことなのではないでしょうか。
他にも、制作するぞーとか、貯金するぞーとか色々フワフワありますが、いうてもう1/4過ぎているわけなので、改めて気を引き締めつつ努めていきたいです。
コミティアも、先々月8ページのちょっとした漫画冊子を描いたものの、もっとやれるだろ!みたいな気持ちもあり、もっとやりたいね……がんばろうね…。
・・・
と、いうような文章を書こうという、落ち着いた気持ちになれたきっかけが、「ドライブ・マイ・カー」でした。
ここからはその話を書きます。
映画の内容に触れるので、ネタバレ注意です。
せっかくなので、とりあえずまずは観て欲しい気持ちがあります。
そもそもドライブ・マイ・カー観ようと思った理由は、村上春樹の本が好きで原作も昔読んだことがあったことと、脚本がカンヌの賞を獲ったぞみたいなニュースを見かけたからです。その記事で、ドライブ・マイ・カーが映画化するということを初めて知り、興味を持ちました。
映画は、映画自体が久しぶりなことを抜きにしても、とてもよかったです。
原作は短編なので、3時間分として内容は大きく変わっていましたが、しかしモチーフや登場人物、何より作品テーマから村上春樹らしさを感じたのが非常に興味深かったです。
私は村上春樹の作品から、「人生は歳月と共に、あるいは突然、失われ、損なわれる。ただ、それでも生活は続いていくし、続けていかなくちゃいけない」みたいなテーマをよく受け取っていたのですが(だからダンス・ダンス・ダンスの「でも踊るしかないんだよ。音楽の続く限り」の部分がとても好きです)、それをテーマとして掲げてくれたのたのがなんというか、解釈が一致していたようで個人的に嬉しかったです。
他にも、主人公が損なったものを(少し変わった形とはいえ)持っている善良な夫妻と、損なうことにうまく適応できなかった高槻という対比的な第三者の存在、言語を入り混じらせて演劇を行うという手法、台詞一つひとつをとっても(自分の思う)村上春樹的な表現で、だから非常に馴染んだ気持ちで観られました。
また、雰囲気もすごくよかったです。
私は実写で日本の映画だと、落ち着いて観られる、話もなんかいきなり盛り上がったりしないものが好きなのですが(あと声を荒げなくて顔がうるさすぎないやつ…)、長くゆったりとしたドライブシーンや、自然な調子で淡々と進む会話など、落ち着いたカットが多く、観ているうちに段々と心が穏やかになっていきました。し、だからこそクライマックスで心情を吐露したシーンでは非常に感動しました。
以前見た「トニー滝谷」でも、原作らしい淡々とした雰囲気を映像でばっちり表現されているな〜と思いましたが、「ドライブ・マイ・カー」はよりストーリーがしっかり提示されている、というか、単純に見やすいなと思いました。
私は村上春樹の作品を読むときって、音楽を聴いているときと似ているな〜と思っていて、すごいオチがあるぜ、というよりは文章から流れる雰囲気を楽しむことが多いのですが、そういう意味でも、まるで単行本1冊分の短編を読んだときのような充足感+ストーリーとしてのおもしろさがあって、本当にいい映画体験をすることができました。
あと、バーバルとノンバーバルのコミュニケーションが入り混じってて脚本が緻密すぎるぜ、とか、劇中劇の最後、後ろから抱きしめて目の前で手話を行うのは、「私たち」の演出表現として最高なのではないか、とか、不在の父↔︎不在の娘だからこそ補えるし、本質的に補えないとか、語れることはいっぱいあるのですが、そういうことは会話で人とやりとりをして広げていきたいなと思うので、一旦ここで止めます。
昨今は友人とも会いづらく、インターネットでは(インターネットなのに!)友人があんまりできないのでどうしようもないのですが、「ドライブ・マイ・カー」の話ができる人と話がしたいです。本当に。
・・・
最後に、なんでこの映画を観て落ち着いた気持ちになれたのかを書いておきます。
不安定な時世に加え、悩みや不安も多く、それなのに多忙で自分を省みられない中で、
「人生が損なわれたとしても、ともあれ。
ともあれ、生活をやっていくしかないんだ」と、この映画を見て感じたからです。
辛かったことを認め、立ち向かい、根気強く生活をしていくことで、より穏やかに自由に暮らせるのではないかと、ゆっくりとした気持ちの中改めて思い直しました。
だから、最後のみさきが犬とともにドライブをするシーンはとても希望的でした。
2回目も観にいきたし、気になる映画がやっているときにすぐに観に行けるような時間と、心の余裕ができる自分の生活をしていきたいです。
(そしてみさきのように、私も猫と暮らし、穏やかに微笑む生活ができることを願っています)
おわり
2020年に買ったものと流動と散歩のこと
先日、約1年ぶりに「よいお年を」という言葉を使いました。 急なスケジュールの変更で、予定よりも早くこの言葉が出てきましたが、まぁお互い笑顔で言い合えることができたので、そう悪くないことなのかもしれません。 そういう感じで、2020年も末となりました。おつかれさまでした。 今回は2020年の「買ったもの」と「流動と散歩」という2つの視点から、この1年をホワーッと振り返り、それを書きます。 年に1回でもいいからちゃんと書かないと、何を考えていたかすぐ忘れちゃうので…。
2020年に買ったもの
なぜこのテーマかというと、やってみたかったからです。 有用なものの話は聞くのも話すのもどっちも楽しいです。大体いい話なので。 便利であることは楽になることと同義だし。 絶対に楽をして過ごしたい2020です。
iPad Pro 12.9インチ
これがあれば液タブ代わりになるし、pdfに書き込みができる!!!!だから値段が高くても大丈夫!!!!!と意を決して買いました。 書き心地というか視点が紙に近いので、アナログ派としてはかなり描きやすいです。 着彩と仕上げはPCの方が楽そうだけど、下書きとペン入れはこれでできそう。 あと、ノートパソコン用のスタンドを買ってその上に乗せることで、擬似デュアルディスプレイとしても使っています。 おかげで、動画を見ながら動画を見ることができます。 目は4つもないけれど、人生には往々にしてそういう場面があります。 それから、これを買ってからKindle本を読む機会が増えました。大きな画面で本を読めるのはやっぱりいいですね。
XiaomiのMiband4
Apple Watch的なスマートウォッチが欲しいけど、使っているスマホはAndroidだし、わざわざ腕時計でメールは見ないだろうし、モバイル決済はスマートフォンでするからいらないし、でも健康についての計測はしたい。散歩するから万歩計も欲しい! という要望にぴったりとあっていたのがこのスマートバンドでした。 詳しい機能は調べていただければといった感じなのですが、
- 時間がすぐわかる
- 小さくて軽い
- 万歩計がついている(歩数のノルマも決められる)
- 1時間座りっぱなしだと振動で教えてくれる
- 睡眠中つけているとスコアを測定してくれる(通称睡眠スコアバトル)
- 充電が2週間に1度でいい
- 比較的安価
この辺りが個人的によかった部分です。 精度の程はよくわかりませんが、睡眠時間や歩数をざっくり記録できれば十分だったので、これをお風呂時以外装着して使っています。
JVCのワイヤレスイヤホン
今年趣味となった散歩になにか投資をしようと思ったので、JVCの5,000円くらいの完全ワイヤレスイヤホンを買いました。 初めてのワイヤレスイヤホンだったのですが、これすごいっすね!!! まず充電スタンドがわりの箱がとてもかわいい。あとコードがないから歩く時擦る音がしない。うっかりドアに引っかからない。かなり楽。 移動中の大半を音楽聴いて過ごしているのに、なんで今まで使わなかったんだろうかと思うくらい便利なものでした。 都心を歩いていると他の機器からの干渉で音飛びをしてしまうこともありますが、普段出歩く分には問題ないです。 ちなみにJVCにしたのは評判がよさそうだったからと、あと単純にJVCのイヤホンが好きだからです。 有線もJVCのイヤホンを使っています。よい音です。
ペーパードリップのための器具
今までは、毎朝行きしなにコンビニでコーヒーを買っていたのですが、在宅勤務で出かけることがほぼなくなったため、ペーパードリップに挑戦することにしました。 家にやたらいいポットとサーバーがあったので、買ったものとしては、コーヒーバネットとポーレックスのコーヒーミル、あとペーパーくらいですね。 Prime Readingにあったコーヒーについての本をざっくり読み、UCCのドリップの動画などを参考に、在宅勤務中は毎日見よう見まねで淹れていました。 最初は雑味のせいであんまりおいしくなかったのですが、水温や豆の新鮮さなど、トラブルシューティングよろしく試行錯誤してみたら段々とおいしくなり、今は取り敢えずコーヒーの形にはなっていると思います。 立ち上げから自分で色々やってうまくなって結果を出せたので、結構いい成功体験となりました。こういうの大事だよね…。 ただ、遠くないうちに講座に通って、よりうまく淹れられるようになりたいな〜と思います。
ゲーム各種
なんだかんだで家にいることが多かったので、ゲーム時間を増やせました。 今年は特に以下のものが印象に残りました。 ・スプラトゥーン2 →対人で協力がうまくいったときの楽しさ、キルの快感、そしてハマりすぎて私生活がおろそかになる辛さと、楽しいんだけど悲喜交々あるゲームです。今だにマッチングが早いので、ずっと人気なんだろうな。
・Return of the Obra Dinn(オブラディン号からの帰還) →歯ごたえのある謎解きと、独特のよい雰囲気を併せ持ったゲーム。母と兄弟に紹介したら気に入ったらしくそれぞれ自分のSwitchで購入して遊び出したため、しばらく家で死体探しが流行る形となりました。
・Bloodborne →今年っていうか最近始めたばかりなのですが、とにかく陰鬱な雰囲気がたまらないです。ヴィクトリア朝の時代がモチーフらしく、デモンズなどより近代的な建築物・衣装で、かなり好みの世界観です。 ついさっきようやくガスコイン神父を倒しました。段々と自分のプレイングが上達していくのがわかるので、とても楽しいです。 他にも中川政七商店のカッコいい弁当箱とか、孤独に相対するための本とか、いいオイルとか、色々買い物の多い年でした。 総じて今年の買い物は、とにかく心身ともに快適になれるよう、今の立ち位置から少し足を伸ばすようなアイテムが多かった印象です。 あと、「〇〇をするために□□を買う」よりも「〇〇をしたら、□□が必要になったので買う」という考え方のほうが、なんというか、「買った瞬間が到達点」にならないのでよさそうでした。
流動と散歩
今年は絶えず大きな流動があり、とにかく現状を書きにくい(断ずることが難しい)毎日でした。 私はどちらかというと留まりがちなタイプですが、この断ぜずに動く様相はちょっとなんというか、今まで感じたことのなかった手触りでした。 観念的な話ですが、それについて書きます。 思うに、流動のきっかけは、春先から初夏にかけての在宅勤務です。 在宅勤務になったことで毎日の移動時間が900分の1になり、生活のための時間が今までとは比べものにならないくらい確保できるようになりました。 この時間をどうしようかな、と思っていたのですが、せっかくだから日頃の運動不足を解消するために、毎晩、決まった時間に散歩をすることにしました。 大体21時から1時間くらい。雑談放送や音楽を聴きたりぼんやり考えごとをしながら、田んぼの広がる大通りを歩いていました。 散歩中は他にやることもないので、周りを見て、その変化を楽しんでいました。 広い夜空で星が瞬く中、たまに田んぼの向こう側で、ぽつぽつと連なる電車の明かりが通り過ぎたり。 植えたてだった稲の苗が、日を追うごとに大きくなる。月が満ち、欠けていく。 段々と夜が蒸し暑くなり、Tシャツで散歩に出られるようになる。 そういう、なんというか、時間の本来の流動を強く感じることができたので、精神衛生上とてもよい時間を過ごしていました。 それで、散歩中に色々なことを考えているうちに、「一人暮らしをしてみよう」と、自然とそういう気持ちになりました。 移動時間の勿体無さを痛感したこともあるのですが、昼ごはんを作ったり、自分のための家事をする生活が続いた結果、今なら一人で生活をやってみても大丈夫なんじゃないかと思うようになったからです。 些細なことでも、自分で選んで進むのは楽しい。今年1年で私が強く思ったことです。
はっきり言って、私の外的な評価は今年一年あまり変わっていません。 しかし、その時間の流動の中で過ごしていたせいか、散歩を通して内的に大きく変化した実感があります。 なんとなく、考えすぎずにもっとやってみたり話しかけたりしてみよう、失敗したらそれはいい経験としよう、という考えになることが圧倒的に増えました。 これは、今まで理屈だけでわかっていたことなのですが、それが今年ようやく、少しずつ実践できるようになってきたのです。 本当に、1年1年少しずつですが、確かにちゃんと進めているようです。嬉しいです。 そう。2020年はそういう、自分自身を嬉しく思う1年でした。 ちなみに、在宅勤務が終わってからも休日は散歩を欠かさず行なっています。 あと、毎日少しずつやっているリングフィットのおかげで、この1年で一回りシュッっとした体になりました。 在宅勤務中はご飯まわりをちゃんと掌握できていたのでもう少しシュッとしていましたが、まぁお弁当をつくる契機にもなったのでよしとします。 そういうわけで(手続きに差し障りがなければ)、来年はまず引っ越しから始まります。 自分で自分が使うものを選ぶのってとてもいいなと思うし、そこを通じて「実は工芸、めちゃくちゃ最高なのでは…?」という気づきが最近生まれています。 来年は、自分だけでなくすべてがよりよくなりますようにと、そう強く願っています。 それでは、よいお年を。 おわり
おまけ:今年見たゲーム実況のこと
ここから先は今年見たゲーム実況について書きます。ゲーム実況、マジで話す人が周りにいないので…。 今年はナポリの男たちを主軸に、蘭たん、稲葉百万鉄、カメイド、亀戸周りの方々(含塩胡椒)、あと引き続き軍師ミノルとユニさんをよく見ていました。 ここが2008年か?と言わんばかりのメンツだな…。でも、疲れた時ってワイワイ系より楽しそうに話してる実況の方が元気出るんですよね…。 あと、今年はナポリの怪人もすごかったけど、個人的には亀戸Among usとかゆとり組集結とか、環境の変化で再び交流が温まる展開が多くて、それがとても嬉しかったです。 私が実況を見始めたのが、彼らが少しずつ実況から離れていっていた2011年頃からだったので、(ナポリ結成の時のような)伝説たちの再登場!!!って感じでした。よかったよかった。 ゲーム実況の話、いつか誰かとしてみたいなぁ。
漫画を描いたこと
1年前は全然予想していなかったのですが、なんか気がついたら今年はずっと漫画を描いてました。
仕事以外での制作は久しぶりでしたが、漫画を描いて頒布するのはとても楽しく、気がついたら1年経ってたので、改めて経緯や感想を書くことにします。
きっかけ
元々手帳に小さい絵を描いたり、ノートに落書きをするのが好きだったのですが、まぁそんなにうまくもないしな〜と、今まで人に見せるのを躊躇していました。
しかし去年の今頃、ちょうど運転免許を取って気が大きくなっていたので、なんかよくわかんないけど「漫画、いっちょやってみっか!」と始めることにしました。
画力でいうと、一応全身、顔、手はそこそこかけたので(見たらそれが何かわかるレベル)、あとは資料見ればなんとかなるだろうという感じでした。
漫画を描くにあたりやったこと
決意したのはちょうど冬コミの締め切りが終わった頃で、それにせっかくだからオリジナルで描きたいなと思ったのでコミティアに応募しました。
コミティアには行ったことがなかったので雰囲気を知るため(あと推し先生の本が欲しかった)、去年の11月のものに一般参加しました。コミティアは漫画やイラストが大好きな”マジ”が集まるアツい場所で、私が参加しても大丈夫なんだろうか?と思いました。今でもちょっと思います。
ともあれ、上を見たらきりがないので、とりあえず「完成したら満点、手に取ってもらえたら+200点」「とにかく楽しむ」を目標に始めることにしました(今でもこの2つは指針としています)。
1作目
元々アイデアとしてあった「主人公が「自分の姿をしているが体つきが女」のドッペルゲンガーと遭遇する」というアイデアから広げた話です。あらすじだけでもう既にヤバいフェティシズム等々がばれる!!!!漫画はこわい!!!!!
雑誌の読み切りをイメージして構成していたのですが、初めてだったので本当に何もわからず、コマを割ってペンを入れてようやく「もしかして…これは…漫画か…!?」となりました。
絵はつたないけれど話がちゃんとまとまっているし、1作目ということで気合いも入っていたので、今までの中で一番漫画らしく、今読んでもいい話だな~と思っています。
2作目
女の子2人が不思議な美術館に行く話です。かわいい女の子がきゃあきゃあ話しているのを描きたい、という動機ですべてを構成しました。何をどこまで描くかを見極めることの大切さを痛感しましたが(これは今もよくわかんない)、かわいい女の子が描けたので目的は無事達成しました。よし。
2次創作
はからずも夏コミのスペースがとれたので、FGOの2次創作の4コマ漫画を描きました。2次創作ギャグは、原作との齟齬が生まれないようにキャラクター・ストーリーをきちんと理解する、笑えるネタを考える、服装をきちんと描くなどあり激大変でした(シリーズも世界史も詳しくないのに手を出したからというのもありますが…)。
コミケで本出してる人、みんなすごい。
コミケはコミティアとは別の祭り感があって、とても楽しかったです。
3作目
つい最近頒布したばかりの新刊で、死んだ友人を謎の女性と探す話です。
思えば3作とも死がかなり近く、1作目は死の手前、2作目は死の間際、これは死後の話なので、もうそういう3部作ということにします。しました。
今回は背景を描くぞ~と思ったので書き込みをちょっと頑張りました。とはいえ、上でも少し書いたのですが、漫画の密度の上げ方がまだよくわかっていない、多分もう少し雑でもいいから正確な方がいいんだろうな〜。
これもちょっと話が込み入ってしまい、ストーリー部分に悔しい思いもあったりしますが、卒業式の紅白幕から葬式の鯨幕に繋げるという萌え(萌え?)(モノクロ表現になることで色が同一化されるというおもしろさ)ができたので満足です。
感想とこれから
始めたばかりなのもあって、描けば描くほど課題が見えてきて楽しいです。漫画は監督もカメラも編集も全部やる感じなので、画力がないので鍛えたり、わかりやすい話を考えたり、背景描いたり、力の入れ抜きを推し量ったり、やることやりたいことがたくさんです。いい趣味になってます。
あと、スペースのポップやポスターを作る時、意外と本業を活かすことができるので、それも結構楽しいです。本を作るだけじゃないのが同人イベントの素敵なところです。
何度か本を作って流れがつかめてきたので(とはいえ毎回スケジュールが極悪非道なので、工程を改めつつ)、次はもっとプロットに時間を使って世界観から話を考えてみたり、2次創作リベンジをしたいな〜と思っています。
実は文章も書きたい(そして文学フリマに出たい)という思いもあるので、来年後半はそっちにも手を出すかもしれないです。ワクワクです。
漫画については前々から書こうと思っていたので、ちょうど誕生日ということでえいやっと書きました。読んでもらうというよりは、自省メモみたいになりましたが…。
もしここを読んでいる方で、漫画などなにか本を作りたいな〜と思っていらっしゃる人がいましたら「マジで意外となんとかなる」ことをお伝えできればと思います。
ともあれ、今年も楽しく挑戦のある1年にしたいですね。
おわり
好きな音楽のこと
ひとりでどこかに出掛ける時、私は大体音楽を聴きながら過ごしています。
耳によくないことは重々承知なのですが、音楽が好きなことに加えて昔からざわめきが苦手だったこともあり、今でも半ば癖のような感じで、イヤホンを耳からぶら下げて街中を歩いています。
そういうわけで、好きな音楽のことを書きます。
音楽については基本的に聴くばかりの人間ですがいかんせん付き合いが長く書きたいこともたくさんあるので、今回は好きなバンドとそれに付随する個人的なエピソードを書くことにします。
ようやくブログらしくなってきましたね。
(本当は大学生の頃にやっとくべき内容のような気もしますが…)
高校時代の友人からほぼ100%「君はアジカン好きだったね」と言われるくらいハマったバンドです。「君繋ファイブエム」から「ワールドワールドワールド」あたりをよく聴いていました。
最初に聴いたのはアニメタイアップのリライト、だと思っていたのですが、よく思い出してみると実は中学生の時に聴いたことがありました。
当時、中学校に入学したてのほやほやだった私は、新入生歓迎公演で舞台に立つとある3年の先輩にゾッコンになってしまいました。周りからの勧めもあってその部活に入ったのですが、入部早々、度胸試しとして部員の前でアカペラのカラオケをすることになりまして、その時、そのゾッコンになった先輩の歌った歌がアジカンの「君の街まで」だったのですね。先輩は歌がうまく背も高かったのでますますゾッコンになってしまいました。
3年生の高校受験のため結局半年ほどしか一緒に活動できなかったのですが、先輩は県で一番頭のいい高校に合格して、田舎の中学校をあっさりと卒業していきました。
私は最後までゾッコンでした。
ちなみにその後、アジカンのおかげで今でも超仲良くさせてもらってる友人と繋がることができたので、ほんと先輩にはゾッコン感謝しかありません。
ASIAN KUNG-FU GENERATION 『君の街まで』
遠出した出先のタワレコで視聴して「!!!!!!!」となってハマったバンドです。音楽にハマる人って大体この「タワレコ現象」に遭遇したことあるんじゃないでしょうか。アルバムでいうと「#4」「inspiration is dead」あたりから「still a Shigure virgin?」くらいまでをよく聴いていました。
高校時代に一番聴いていたのが時雨の「鮮やかな殺人」でした。ハードなのに綺麗なメロディや仄暗い歌詞が青春時代の諦観ソウルをくすぐっていました。下校バスに乗りながら「夕景の記憶」を聴いた記憶や、クリスマスの日に「moment A rhythm」を聴いて「私は永遠にひとりなのだなぁ」としみじみしていた時のことを思い出します。ナイーブさが今よりひどいですね。ウケます。
下の「Telecastic fake show」も超カッコいいです。あとボーカルのTKはソロ活動もしていて、そっちは綺麗系?寄り?なのでそちらもおすすめです。
● サカナクション
これなんだったんだろうな、多分TSUTAYAレンタルのピックアップアーティストとかで手に取ったんだと思うんですけど、気がついたらハマっていました。
思えば当時はTSUTAYAで月に1回、適当に5〜6枚借りるという地道ながらもそこそこ誠実なディグを行なっていました。懐かしいです。
サカナクションについては「SHINSHIRO」から入って、今もライブに行くくらい聴いています。と言いつつ、好きなのは「三日月サンセット」とかの初期の曲ですが…根暗なので。
サカナクションは海感の強い音楽で、深夜の暗くて広い空を見上げながら聴くとまるで自分が深海の底から世界を見上げているような気持ちになります。大学生の頃はなんだかんだへこむことも多かったのですが、夜に誰もいない通りで踊りながら聴いたりしている間は本当に自由で、結構救われていました。
あと、サカナクションが好きなめちゃくちゃすごい人とカラオケで同席した時、その人がずっと「中盤まで静かで最後の1分くらいだけワーっと盛り上がる曲」ばかり歌っていて、「やっぱりすごい人は盛り上がりとか気にしないし選曲も自由なんだなぁ」と感心した覚えがあります。
ビクターの恩恵でYoutubeで一通り聴けます、最近だと「ユリイカ」や「years」などおすすめです…根暗なので。
サカナクション / 三日月サンセット -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)-
高校時代、音楽友達の間で9mm Parabellum Bulletが流行った時期があって、その時に残響レコードつながりで聴き始めたバンドです。多分一番精神性に影響を与えられています。よくも悪くも。そう、よくも悪くも。
ハードロック寄りなメロディにアイロニカルな歌詞、なのにボーカルの声が細く柔らかいのでうっかり騙されてしまうような、とても魅力的なバンドです。
このバンドは、なんとなく「神さま」って感じがします。"バンドの神様"とかそういう話ではなくて、スケールの大きさというか、そういうもっと観念的な話です。
聖書や宗教に親しいキーワード・固有名詞が歌詞に使われているからというのもあると思います。ただ「神さま」らしさを確信したのは、初めてこのバンドのライブに行った時に悠々と歌い、踊り、演奏するバンドと、座席から立ち、ゆっくりと静かに聴き入る観客を見た時です。後ろの方の座席でそれを眺めながら、「ライブではなく、なにか神聖な礼拝のようだな」と思った、その時の印象が強かったのだと思います。
もちろん、身近な感じの曲もあります(と言いつつきちんと抽象化され再構成されているから独特の雰囲気は保たれています、すごい)。
だけど、私がこのバンドで好きになる曲は大体「神さま」感のある曲が多いです。「ニムロッド」(今のところ人生で一番好きな曲です)「スルツェイ」「天使の胃袋」「6月の空を照らす」「レントゲン」「ダンス、ダンス、ダンス」など。
あと、全然関係ないのですが、この方達はMCがめちゃくちゃ面白いです。
●toe
上記と同じ残響繋がりで「te'」を聴いて、その流れで?インストゥルメンタルバンドにハマり、toeにハマることと相成りました。
toeに関してはとりあえず、インストゥルメンタルではないのですが「グッドバイ」を聴いてほしいです。話はそれからです。私はこの曲を聴いて「ドラムってリズム刻むだけじゃないんだ!!!!」という失礼な認識を改めました。こんな音数、ありなんだ…とめちゃくちゃ感動した記憶があります。
深い思い出は少ないのですが、歌詞のない音楽への抵抗感を取り払ってくれたのは確実にこのバンドなので、深く印象に残っているし、とても感謝しています。このバンドが無かったらエレクトロニカとかも聴かなかっただろうし。
一応(一応?)、大学生の頃、用事のついでにPVの撮影場所だった駒場東大前駅をウロウロしたりしていました。聖地巡礼ですね。流石にキャンパス内に侵入したりはしませんでしたが、なんとなく目新しい雰囲気だったので結構満足した記憶があります。
toe - グッドバイ PV / "Goodbye" Music Video
うーん。
3000字くらい書いたのに、全然書き足りません。ちょっと愕然としています。
かと言って私が2万字書いてもしょうがないので、一旦ここで区切ります。
こうして振り返ると、かなり人生に色を与えてもらっているなぁと思います。感情が高ぶっていても、聴くと落ち着いてニュートラルに戻れる曲もあったりして、多分美術や自然と同じくらい心の故郷として在るもののようです。
あと、思い出を思い返すと音楽は新しい音楽へ繋がっていくだけではなくて、人の繋がりも作ってくれているんだなぁと、ちょっとしみじみしました。
ありがたいことに、最近も音楽を通してお話できたこともありましたし、こんなに長くハマる趣味も人生にそうそうないだろうから、これからも臆せず新旧色々聴いていきたいです。
おわり
(この文章は概ねヴァイヴスで構成されているため内容が変わる可能性があります。すいません。)
COMITIA127で本を出すこと(告知と感想)
前回書いた通り、年始から漫画を描き続けていましたが、おかげさまで無事30ページの本になりましたので告知と感想を描かせていただきます。
twitterだとどうにも恥ずかしいので…。
○COMITIAについて
日程:2019年2月17日(日)11:00〜16:00
場所:東京ビックサイト西1・2・3ホール
スペースNo:【な49b】『灯台星』(「月井」という名義で活動しています)
○本について
タイトル:「波のない海」
あらすじ:大学院生の男が、女の姿をした自分のドッペルゲンガーと遭遇する話です
内容:A5サイズ オンデマンド 本文30ページ
価格:300円(予定)
以下本文サンプルです
以下続きます…
○感想
総合的な感想はCOMITIAが終わってから色々書きたいなと思っているので、とりあえず漫画を描いた感想ですが、正直自動車免許取得の30倍くらい大変でした。
スケジューリングが致命的にミスっていたからだとは思うのですが…。
今回漫画を描くぞ〜ということでとりあえず描いてみたものの、見返してみると漫画の抽象化というか、私が得た知識と描き方を試して漫画のモノマネをしたというか、そういう感じのものになりました。
コマ割って絵を描いているから漫画のはずなのに、自分から見るとなんだか違和感があります。不思議です。
「○○を描く」じゃなくて、「漫画を描く」ことそのものを目標にしていたからかもしれません。
とはいえ、やり方はなんとなくわかったような気もするし、30ページで起承転結をつけるというオーソドックスなものを無事に仕上げることができたので、個人的には大満足です。次もまたなにか描きたいな〜。
これからポスターとかPOPとか、本業よりの色々がまだ残っているのですが、当日までばたばた楽しもうと思います。
おわり
年末のこと
12月の初めに誕生日を迎え、またひとつ年をとりました。
それで、誕生日は珍しく外に出掛けたので、手帳に日記を書こうと思ってページを捲ったのですが、そこにいつか書いた鉛筆書きを見つけました。
多分これを書いたのって前回の誕生日の頃だったと思うのですが、よく覚えていなかったので見た瞬間かなりぎょっとしました。
どんだけ切羽詰まっていたのでしょうか。
去年の私には申し訳ないのですが、残念ながら運転免許をとって少し変わることができたので、今年も生きます。
何卒よろしくお願いします。
この話からもわかりますが、私は年末、なにかこう躁的な感じになるようです。
去年も勢いで10万円近い金額の買い物をしたり、勢いで賃貸物件を決めようとしたりして、終わったあとに「ちょっと待って考えてそれ本当に必要…?」って冷や汗をかくことが何度もありました。
気分にムラができやすいのはなんとなく知っていたのですが、なまじお金と行動力を持ち出すととんでとないことになるんだなぁ。
で、今年の年末は何をしたかというと、勢いで2月のCOMITIAの参加申込みをしました。
(PS4を買ったのは安売りだったためセーフとします)
COMITIAとは、年に4回くらいおこなわれるオリジナル限定の頒布イベントです。コミケとはちょっと雰囲気が違って、漫画でも本でも雑貨でも、頒布するものは割と何でもありな感じです。
そこで漫画の本を出す。
予定です。
制作なんて最近あまりやってないし、漫画を描いて人に見せるのも小学生の時連載していた給食新聞の4コマ漫画以来になります。
そういえばその時、学期末に4コマ漫画増刊号と称して漫画だけ載せたわら半紙を配布したことを思い出しました。ウケます。
あと、こういうイベントに出展側で参加するのも初めてですね。もう何もわからないです。
こうして書き出してみたところ「ちょっと待って考えてそれ本当に大丈夫…?」と早速冷や汗をかき始めてしまいました。
でも、運転免許が取れるのに本を作れないわけがない!!!という訳のわからない自信があるのでなんとか正気を保っています。
保っているのか?
そういうわけで最近はお話を考えています。
作業前のラフを適当に済ませるとろくなことが起こらないのは仕事で痛感しているので、なるべく丁寧に物語を決めていこうと思います。
制作は、自分の好きなものや見てきたものを思い出して、埃を払って、うまく目に見えるようにすることですから、とても苦しいけど楽しいですね。
こういう風になると、交友→睡眠→食事の順番で生活が死んでいくのですが、今回も無事死亡しています。
でも、久しぶりに頭の庭を駆け回れるぞ〜〜って感じでわくわくしています。
運のいいことに年末という長期休暇もあるので、せっかくだからがんばろうと思います。
みなさんもよいお年をお過ごしください。
おわり